前回のあらすじ
・さやかちゃんから誕生日プレゼントをもらう。
・来年も同じクラスでいたいねと笑い、年を越す
寒い寒い冬を超え、ついに春が来ました。
新入生を眺め、いつもの通学路を慣れたスピードで駆け抜け、中学生になってから初めてのクラス替えです。
はたして僕とさやかちゃんは同じクラスになれているのでしょうか。
まあ現実はそこまで甘くありません。さやかちゃんと僕はクラスが分かれてしまいました。
確率的に言えば当然の話です。6クラスもある中で2年連続で同じクラスになるのは結構稀でした。
クラス替えがあったとはいえ日々の生活が劇的に変わるわけではありません。
幸いなことに、僕は1年生の時に仲良かったグループの内半分ほどが同じクラスになっており、新しい友達もできて比較的良いスタートを切れていました。
しかし、さやかちゃんはそう上手くいっているわけじゃなさそうでした。
他のクラスになっただけでなく、どうやら友達もあまり作れないようで、しばらくは僕のいるクラスに頻繁に遊びに来てました。
僕と話す回数もそれなりにあったわけですが、僕も僕で新しい友達と一緒にいる時かな増えたので今までほどさやかちゃんと一緒にいたわけではありません。
しかし、さやかちゃんが一番かわいく見えたのはこの時期でした。
孤独を押し殺し、捨てられた子犬のような目で僕がいる教室を眺めてるその姿に、当時の僕は今までに感じたほどがないほど庇護欲を掻き立てられたものです。
その時にTwitterが今ほどメジャーなサービスじゃなくて本当に良かったです。もしもアカウントを持っていたらそれはそれは恥ずかしい黒歴史を生み出していた事でしょう。
さて、2年生になれば当然新入生が入ってくるし、それまで2年生だった先輩たちもひとつ学年が上がります。そして部活動では、新キャプテンを決める時期がやってきます。
まあ僕はそれなりに強かったチームの中ではキャプテンなどというものには全く縁がなかったので、外からあの部活のキャプテンあいつになったらしいよ~などの噂話を撫でるだけでしたが、ある日情報通の友達が僕に爆弾情報を持ってきました。
さやかちゃんがソフト部のキャプテンになるらしい。
ふ~~~~~~~~~~~ん。
ふ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。
ま、俺はさやかちゃんの良さにもっと前から気付いてましたけどね(笑)
当時は本当にこんな反応をしてました。
なんてったって自分だけが好きだと思っている女の子がついに日の目を浴びた瞬間ですからね。腕組んじゃいます。
夏の大会も終わり、先輩たちが引退し僕たちの世代が部活動での頂点に立ったころ、さやかちゃんの練習を見る機会がありました。
そこには後輩を鼓舞しながら練習に励むさやかちゃんの姿がありました。
かんわいい~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!
イケメンすぎて当時の僕はもうおかしなテンションになってしまいました。
そのテンションが、地獄への序章だったんですけどね。
次回さやかちゃんと"俺"第8話「アツすぎ!6月」
お楽しみに!