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さやかちゃんと"俺" 第1話「春風」

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この不定期連載では、私が中学生の時に仲が良かった女の子「さやかちゃん」とのあんな事やこんな事、そしてなぜ今の私がこんなにもさやかちゃんの話を擦るバケモノオタクになってしまったのかを書いていく予定です。

一度まとめてブログにしようとした時期があったのですが、あまりの長さに断念したので書こうとしていたエピソードをもう一度精査し、何回かに分けて更新していきます。

 

「さやかちゃん」が誰なのか分からない人は、@sansation613 さやかちゃん で検索をかけると大体わかってもらえると思います。

 

 

 

2012年4月、僕は地元の小学校を卒業し、ほぼ同じようなメンバーの中学校へと進学しました。(私の小学校は地区でも人数が多い方で中学に上がっても7割近くが同じ小学校だった)

 

少しぶかぶかな新品の制服に袖を通し、通学手段も徒歩からぴかぴかの自転車へと変わり、初体験の部活動、教科の名前、通う校舎、あらゆる物が新しく変わっていった生活の中で、僕はオタクになっていました。

何がきっかけだったかはよく覚えていないです。気付けば京アニのアニメを見て丹生谷森夏俺の嫁!だのえるたそ〜だのと言ってみたり、教室の隅で何でもないフリをしながらブックカバーをかけたラノベを読んだり、ボカロ曲を聴いて薄ら寒い考察コメントを書き込むようなオタクになっていた。たまにTLで「教室の隅でラノベ読んでそう」とバカにするやり取りを見かけるが、あれは最早中学生時代の私が語源かもしれないですね。

それほどまでに、小デブで眼鏡をかけた見た目まで含めてステレオタイプのオタクでした。余談ではありますが、当時はまだ小デブで済む範囲だったと記憶してます。今は…まあ…

 

 

さて、当時の私はまだ恥などを知らない痛いオタクになりたてな中学生。上記のような行動を取っていたため当然陽キャの輪の中には当然入れず、私と同じように中学に入りオタクとして覚醒した人間達と仲良くなるわけです。

 

その中に、この連載のもう一人の主人公である「さやかちゃん」もいました。

 

さやかちゃんは私と同じ小学校の出身であり、特別仲が悪くはないけど自ら会いに行くほどではない、クラスが同じになった時だったりたまに会えばちょっと喋る友達という感覚でした。

 

当時の僕とさやかちゃんを繋いでいたのは

「カゲロウプロジェクト」

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#今の小学生は知らない

 

僕はモモ(上画像オレンジ)、さやかちゃんはヒビヤ(上画像水色)が好きでした。オツキミリサイタルって…そういうコト!?

 

閑話休題

 

カゲプロが特に好きでしたが、他のボカロ曲も好きであり、これを書きながらさやかちゃんに教えてもらった「十面相」や「メランコリック」を聴いてみたら色々思い出してしまいました。

 

 

さて、中学生でも携帯を当たり前のように持ってる今の時代ですが、僕たちが中学生の時はそういうわけではありませんでした。僕は結局高校に上がるまで携帯は持たず、さやかちゃんも携帯は持っていませんでした。そんな当時の僕たちのコミュニケーションツールと言えば、休み時間と部活動が終わった後の帰り道の20分ほどでした。

僕は卓球部、さやかちゃんはソフトボール部。お互いに練習してる場所も練習が終わる時間も違うのに、どちらかが何となく遅い方を待ったり、何となく教室やグラウンドの方に向かったり、そんな風にして時間を稼ぎ、あくまでもたまたま、たまたま帰りが一緒になった風に装っていました。

その帰り道ですら、二人で帰る日にはいつもより長く感じました。

 

 

さらに僕たちは中学一年生、誰と誰が付き合っただの別れただの浮気をしただのに敏感になり始める時期です。その手の話を聞かない日がないくらいには人のゴシップ情報が出回っていました。

そんな目の中で学校でも普段から仲の良い男女が二人で帰り、あまつさえ遠回りで人が少ない道を選んで帰っている所を目撃されようものなら、学年中から後ろ指をさされて笑いものになるのは必至です。

オタクでありながら陽キャとも比較的交流があったさやかちゃんはともかく、その相手は絵に描いたようなデブで眼鏡をかけ、口を開けばアニメかボカロかラノベの話しかしないようなキモオタク。恐らくそれまでのゴシップを過去にするくらいには話題になったでしょう。それはもちろん悪い意味で。想像したくもありません。

 

互いに部活が終わると何となく時間を作って一緒に帰る日々をしばらく続けていた一学期の終わりに、僕とさやかちゃんの関係に変化が訪れます。それは今でも覚えています。お互いに部活動の生活リズムにも慣れ、練習終わりの二人が汗ばむ日も増え、少しずつ中学生になって初めての夏が近づいているあの頃でした。

 

 

 

さ「ねえゆーみん、ちょっとはなしがあるんだよね」

ゆ「ん?急にどうしたの」

さ「実はユウスケ(偽名)に結構アプローチされてるんだけど、ゆーみんはどう思う?」

 

 

 

そう、良さを分かっているのは自分だけだと思っていたさやかちゃんを狙っている男が、何とクラスにもう一人いたのです。

彼の名はユウスケ。テニス部に所属している比較的陽寄りの人間でした。しかしながら陰の人間ともノリが合うのか、僕とも比較的よくしゃべる間柄でした。

 

今だから思いますが、僕はぶっちゃけこの時点でさやかちゃんの事を少し好きになっていました。本格的に自覚するのはもう少し先の話になりますが、多分無意識のうちに好きになっていました。

 

しかしまだまだ当時は恋の一画目も知らないクソガキ、突然の恋敵の登場に慌てふためいてさやかちゃんにかけてしまった言葉とは……

 

 

ゆ「あ~いいじゃん!ユウスケ結構かっこいいし仲良くしてみたら?」

 

 

今にして思えば、現在まで引きずっている僕の逃げ癖はここから始まったのかもしれません。

 

 

 

 

続く

 

次回 さやかちゃんと”俺” 第2話「砂埃」