前回のあらすじ
・さやかちゃんが僕のことを好きだという噂を耳にする。
・そして、決戦の日へ
↑この顔マジで良い
さて、いよいよ外堀も埋まりました。いや、埋まったと当時は思い込んでいた、書いた方が正しいでしょう。
さやかちゃんが僕のことを好きらしく、当然僕もここまで来てしまったらさやかちゃんのことが好きだと思っていました。
今振り返ってみても本当に愚かだと思います。あまりにも人間の感情を理解していない。こういう失敗を積み重ねてきたからこそ今の自分がありますが、もう少し何とかならなかったのかなと、今振り返ると本当に思います。
話を戻します。
確認作業らしきものを終えた自分は、後は気持ちを伝えるだけだと思い、いつ伝えるか、どんなシチュエーションで伝えるかに悩むことになりました。
携帯を持っていない当時、SNSで伝えるという択は取れず、必然的に直接伝えるしか方法はありません。
走り出した以上、もう進むしかありません。
綿密な計画を立てながらも、日々の生活は遂行する。
極秘ミッションを与えられた暗殺者のように、重要な商談を1か月後に控えた営業マンのように、地に足がつかない状態を地で行きながら、この日に消えると決めた勝負の日、体育祭の日へと、日々を粛々とこなしていました。
それからも、何も変わらないような日々が進んでいきました。
2年生に上がり、勉強が少しずつ難しくなり、自分は数学の成績がドンドン下がっていき、同じような成績だったさやかちゃんに笑われながら叱られる…こんな時間が続けばいいと、当時は本気で思っていました。
そして、刻一刻と勝負の日が近付いてきている、夏休み前。
期末テストも終わり、久しぶりにさやかちゃんと帰っていた時のことでした。
さやかちゃんが突然、
「ゆーみんは彼女とかほしかったりする?」
と聞いてきました。あまりにも突然のことにうろたえてしまいましたが、その時の自分は後々さやかちゃんに告白することしか考えられていない状態だったので、
「まあいたら嬉しいよねw必ずしもかわいすぎなくても良いから趣味を理解してくれる人がいいかなw」
みたいなことをしどろもどろになりながら言った記憶があります。
いやもうこれはもう行っただろと、もう後は自分が一歩踏み出すだけだってと、この後友達に嬉々として話していた記憶があります。
このブログを書きながら当時のことを思い返すのは恒例行事になっているのですが、とても恥ずかしいです。
これはもう勝ち確だと思い夏休みへ突入し、夏休みが終わり、運命の体育祭の日が刻一刻と近づいてきました。
2学期も始まるといよいよ「浮足立つ」を絵に描いたような状態になっていました。
もう日常生活もままなりません。この時点で平常心ではいられませんでした。大事な状況で異常にテンパるのはこのあたりですかね。
さあ、そしてついに運命の体育祭の日を迎えました。
もう本当に何も記憶がないですね。クソ暑くて熱中症寸前になったことと、競技に出てたさやかちゃんがめちゃくちゃかわいかったことしか覚えてないです。
さて、体育祭もつつがなく終わり、後夜祭もそこそこに済ませ、みんなが帰宅の途に就き始めました。
さて、当時の自分はと言いますと…
タイミングを見失っていました。
前日にはいざ告白するぞ!となっていたのですが、当日になって何度かさやかちゃんと二人きりのシチュエーションになってみると、全く話を切り出せませんでした。本当にだめでした。口が渇いて上手く回らなくなります。
焦りました。めちゃくちゃ焦りました。人生で一番焦りました。
本当にまずい。
今言わないともう卒業まで言えない!!!!!!今日言うしかねえんだ!!!!!!
焦りに焦りながら自分も帰宅の準備をしていると、自分と同じように自転車乗り場で帰宅の準備をしている所が見えました。
ここしかねえだろ!!!!!!!!!!!!!!
行くぞ!!!!!!!!!!!!!!!
ゆ「うーす、おつかれ~」
さ「おつかれ~、ゆーみん結構活躍してたね、見てたよ~」
ゆ「え~そんなかなwありがとw」
さ「結構見てんだからね~」
ゆ「あのさ…」
さ「なに?」
ゆ「さやかのことが好き。付き合ってほしいな。」
さ「え!?てか声でかwいやマジで声デカいってw」
ゆ「え…?マジ?」
さ「マジマジwまずはありがとう、しっかり考えたいから明日まで待ってね、じゃあね!」
人生初の大勝負を終え、その日の夜は気が抜けたように寝ました。本当にめちゃくちゃ寝ました。
果たしてさやかちゃんが出した答えとは!?
そして、今の"俺"に至るまで何があったのか!?
次回さやかちゃんと"俺"最終話 「"俺"、爆誕」
お楽しみに!